○ビックバスにマトを絞った釣りをしていると、どうしても限らてしまうルアーローテーションの中に、大きな穴があることに気付く。ビックベイトの寄せる力は強烈だがあまりにも状況が選ばれる。逆に、喰わせ重視のノーシンカーワームはバスにたどり着くまでの効率が悪い。つまり、この要素をあわせ持った強力な効果を生む新たなウエポンの存在を必要と感じずにはいられなかった。
ルドラが目指したのはスピーディな釣りの中での「寄せる力」と「喰わせる力」の両立。日本刀を寝かすがごとし独特のギラつきを見せる強烈なフラッシングと、力強い波動は広範囲に、そしてディープレンジにまでプロダクティブゾーンを広げる。このビックベイトなみのアピール力はストラクチャー周りをただ巻きするだけで、レギュラーサイズのミノーには見向きもしないビックバスを反応させる。まるでハイフロートフラットサイドクランクを思わせるタダ巻き性能こそがルドラの真骨頂だ。そして警戒心の低い、表層より一段深い層を「トゥイッチ＆ジャーク」または「喰わせのステイ」など多彩なテクニックを交えてアプローチできることは、ひとえにバイトチャンスを倍増させる。さらにクリアウォーターでのキモとなるナチュラルなシルエットと、ハイピッチ＆ワイドロールなアクションは、チェイスしたバスにＵターンされにくい上に、フッキング率とキャッチ率を大幅に高めることに成功した。このビックミノーイングを実践することにより、13ｃｍだからこそ衝き動かされて、出てくるビックバスの存在を思い知る。そしてノーマルサイズミノーを、あっさり見切ってＵターンするビックバスが、強い執着心をもってチェイスしバイトしてくるという、野生の本能を目の当たりにすることが出来るだろう。